能登半島地震 震災復興支援報告③ 被災者の特徴的感情

支援者に対する被災者の特徴的感情

支援者と呼ばれる人たちは、普段の仕事をお休みして、現地に駆けつけている訳ですが、

現地の人からすると、テレビや映画も観れ・美味しい食事をとれ・ゆったりとお風呂に入り・安心して寛ぐ家もあり、何不自由なく生活している人たちが、こちらの状況や気持ちもわからず、支援者面して入ってくるように感じてしまいがちです。

被災し、今後の見通しも立たない人間からすると、「あんたたちに何がわかるか!」という怒りの感情が湧くのが普通です。

それは、東日本大震災の際に、私が感じた感情です。最後まで、わかってもらえた感じはありませんでした。

今回、珠洲市から帰った私が、福島の地の当たり前の日常に違和感を覚え、自分だけ別世界にいる感覚に陥り、それを福島の同僚の臨床心理士・公認心理師の皆さんに告げたところ、全員の方が、「ものすごく怒りを感じるよね。被災していない人たちには、絶対にわかる訳ない!って思うよね」と、深く共感してくださいました。

その不信感、怒りを、当然の心境として自分に認める事は、とても大切なことだと思います。

震災とトラウマについて、以前、勉強し、ある著書を読んだ際に、そのメカニズムが綴られており、「自分はそういう感情を持って良いのだ」と深く納得しました。

これは、被災地のみならず、苦しんでおられる方々にも、同様の心理状態が働くと思います。

そういう違和感や感情を持つ事に対し、ご自身に対しても否定など決してなさってほしくないと思います。

また、支援者と呼ばれる人たちは心して、深く留意しなければならないことだと思います。

…④に続く