能登半島地震 震災復興支援報告④

生きることが、"無意識^に命懸けになっている際、人は「頑張らなければ!」という神経がMAX働きます。

被災した方や、生きることが辛い方は、たとえ、傍らから見ると、ダラダラしていたり、何もできていないように見えたりしても、無意識ではあるかもしれませんが、ご本人の心の中は、必死で、命懸けです。

今回、能登半島珠洲市では、皆さん、無意識に命懸けでした。

でも、健康的に生きていた頃の自分や、健康に生きている人たちからすると、動けなくなっている状態像は、頭は働かないし、やる気は起きないし、ほんの些細なことでイライラしたり、(-)感情ばかりだし、思うように動けない…、できないことだらけです。

その為、自分を否定的に感じてしまっている方々が、本当にたくさんおられました。

でも、それらは、脳の防衛反応であり、自身を守るために当然の反応が起きていることをご説明すると、一様に安堵されました。

「そのままのご自分を、これが今の自分の限界なのだとご理解ください」とお話しすると、生徒さんや先生方すら、安堵して涙される方が多くおられました。

人は、誰しも自分が追い詰められると、同様の反応が起きます。

それはご自身でも許容できず、自己否定したり、何とか抜け出そうと必死になったり、逆に諦めてしまったり、自分の心を閉ざしてひきこもりがちになったりします。

でも、それは当然の反応なのです。

そういう事態に陥る理由が、長い歴史の中で、少しずつ積み重なることが多いものです。

それらは、自分が悪くてなるのではないこと。そういう状態に陥らざるを得なかった事態が、記憶にはないかもしれませんが、そうならざるを得ない脳内のメカニズムが働いている事を知ることは、とても大切なことだと思います。

だから、「頑張らなければ!」ではなく、「自分のありのまま」を受け入れ、「許す」ことができたなら、

時間はかかるかもしれないけれど、必ず「自分らしさを取り戻す可能性の発露 = 自己回復力」が働くので、待っていてくださいとお伝えしました。

苦しみをなくそうとせず、ありのままの自分でいることは、ものすごく辛く苦しいです。

陥っている自身の現状を胡麻化さず・否定せず・無いことにせず、ありのままの自分を知る。

それが、自分らしい命・在りようを取り戻す最短の道であることを、頭の片隅に置いていただくことは、とても意味があると思います。